材料としての桧(ヒノキ)は、そのほとんどが建築の「構造材」として使われます。そして、構造材の中でもほとんどが「柱(ハシラ)」に使われます。
「柱(ハシラ)」の大きさは長さ3mで4寸(12cm)角、もしくは3寸5分(10.5cm)角が標準になります。通し柱などですと長さ6mの5寸角などもあります。そのため「柱(ハシラ)」の材木は、末口が18cmもしくは20cm程度の丸太から製材する事が多いです。
60年から80年ほど成長した桧(ヒノキ)は元が太くて先が細くなり、長さは15m〜20mくらいになります。3mの「柱」を2〜3本ぐらい採って、先の方は4mの3寸角で「大引き(オオビキ)」の材料にしたり、4mの2寸角で「垂木(タルキ)」の材料にしたりします。更にその先は1寸5分の角材にして「根太(ネダ)」の材料になります。
「大引き(オオビキ)」は床を支える横木ですが、3寸角の太さが一般的です。「根太(ネダ)」は大引きの上に取り付け床を支える部材ですが、1寸5分角が一般的です。「垂木(タルキ)」は屋根に使い瓦などを支える材料になります。
「柱(ハシラ)」を採った側の部分は半月の形になりますが、大きいものから順に「敷居(シキイ)」、「鴨居(カモイ)」、「掛け」、「フローリング」、「板壁(イタカベ)」、「野地板(ノジイタ)」の材料になります。
最近の住宅だと畳のある和室は少ないですが、一般的に和室の「柱(ハシラ)」や「鴨居(カモイ)」には節のない桧(ヒノキ)を使います。節のない桧(ヒノキ)を育てるには、山に入って枝を払ったりする手入れが必要になってきます。
洋室の場合は板壁やクロス貼りになりますが、柱(ハシラ)が見えない方法をとるため節があっても問題ありません。柱(ハシラ)の等級には「特1」「上小無地(ジョウコムジ)」「1面無地」「2面無地」「3面無地」がありますが、節のない材料は価格が高くなります。 |